New kid in town

エッセイ

それは破滅か革命か?

何か大仰なタイトルをつけてしまったが
私が言いたいのは自由の中の
不自由さだということだ
これは私の持論だが
本来自由には2つ意味がある

飼い猫の自由と野良猫の自由だ
つまり本質的な意味での自由はないが
温かい部屋のソファーと
飯付きの愛玩動物としての自由と
絶対的な意味での自由はそこに存在するが
その代わりに餌と毛布と
命の保証のない真の自由がある

話は変わるがこれを音楽の世界に
置き換えたらどうなるか?
本来音楽とは自分の趣味と直感と
センスのみで選択するもので
当時はLP一枚買う事でさえ
大変なリスクと労力が必要だった
当たり外れはあったものの
大きな多幸感がそこにはあった

だが魔法のコンパクトディスクの出現で
オーディオマニアは消え去りその代わり
音質はラジカセとコンポの境界線を失くし
FM雑誌やオーディオ雑誌を廃刊させた

そして真の意味での音楽に
破滅を招いた悪魔の発明ipodの登場で
華やかだった音楽業界は一変した

それはイギリスで音楽にテクノロジーを
融合させた80年代より
遥かに衝撃的で革命的な出来事だった

すなわち再生に必要なデバイスを一掃した
そして時代はサブスクリプションの時代へ

かつてのLP一枚買うときの
あのときめきと高揚感は
多分一度も聞かない数千曲の中から
自分好みだと思われる歌を
AIが選択する自由へと移ったのだ

とはいえもうすでにあの
アナログのレコードを聞く儀式も
自分の好きな歌を編集した
カセットテープの時代へは流石に戻れないが
便利さの中の不自由さという意味は
ご理解していただけたのではないか?

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